飲食店でお仕事をしている人にとって一番嫌な仕事の一つに、お客様からのクレーム対応がありますよね?いくら気をつけていても、クレームというのは必ずおきてしまいます。とくに初めてお店を任せられた人や、店長になったばかりで経験も少ない人にとっては、どう判断したら良いのか分からないことも良くあると思います。
ここでは、飲食店で良くあるクレームとその対応の仕方と防ぎ方の知識をつけて、事前に対応ができるように準備をしておきましょう。
飲食店で良くあるクレームの対応の仕方とは?
ざまざまなパターンを紹介します。
「予約が取れていない」
お客様が「予約した」と言われている内容や、予約の記録が残っているかどうかを、しっかりと確認する必要があります。予約台帳(予約記録などを記したデータベースやノートなど)を確認して、お客様の主張するような内容が記録されているならば、お客様が正しいことになります。
その際は、「申し訳ございません。店の不手際でお客様のご予約が取れておりませんでした。お席が空き次第、すぐにご用意させていただきます。」と正直に謝罪しましょう。お客様は立腹されていることが多いと思いますので、謝罪のみではなく、ドリンクや料理などをサービスする、クーポンや割引券を渡すなど、できる範囲でお客様の気分を緩和するように心がけましょう。
もしお客様の主張される内容が記録されていない場合や、担当者に確認してもお客様の主張が正しいと証明できなかった場合は、「お客様の勘違い」である可能性が高いです。
しかし、お客様に「勘違いではないですか?」というのは失礼となりますので、ぜったいに言ってはいけません。あくまでも丁寧にお客様に対応しましょう。「記録の確認と担当者への確認をいたしましたが。申し訳ございませんが、本日はお受けしておりません」という対応になりますが、このままお客様を返してしまうのも失礼となりますので、お客様の主張する内容に近い形でサービスを提供するよう心がけましょう。
遺物混入
料理に髪の毛、ナイロン、紙の切れ端など飲食店では一番多いのがこの異物混入です。このクレームはほとんどが店側の不手際が原因となりますので、「申し訳ございません。○○が原因で混入したと思われます。すぐに新しいものをお作り致します」と対応致しましょう。
お客様から「もういい」と言われた場合は「大変、失礼いたしました。こちらの商品は取り消しさせていただきます。」と対応します。
パート、アルバイトさんに任せるのでなくお客様のお怒り具合を関係なく、その時にいる責任者が行く方が二次クレームは防げますので丁寧に対応して下さい。
洋服を汚す
飲食店では、スタッフの不注意などによって、料理やドリンクでお客様の服装を汚してしまうことはよくあります。洋服を汚されたお客様の不快感はかなり高いレベルですので、すぐに店の店長が対応してください。
「申し訳ございませんでしたと。」と謝罪してタオル等をお持ちしてお渡しします。店では対応できない汚れの場合は、クリーニングに出させて頂き、ご自宅までお持ちする旨をお伝えいたします。
クリーニングで納得いただけない場合は、同じ商品を購入してお渡しする事になりますが、会社で保険の対応ができる場合は、この際は汚した服と引き換えにお渡ししてください。
お客様は理不尽な不幸に対してのお怒りがありますので、丁寧な謝罪を心がけましょう。
飲食店クレームは初期対応が大切
店のスタッフが、お客様に飲み物をこぼすといった事がおこった時に、その状況にビックリしてパニックになってしまい、こぼされたお客様をないがしろにして床を拭くといった事が良くあります。
お客様からすると、「こぼされた私を無視して、店の床を拭いてるの?」と当然、お怒りになります。冷静な人からするとありえない事ですが、このような事は、慣れていないスタッフや、研修スタッフなどが良くやってしまう事なのです。
お客様に迷惑をかけてしまった場合は、最初に「申し訳ございません。」と謝罪し、まずはお客様を気遣う行動を取らなければ、後々、問題が大きくなり取り返しのつかない事態になる事は珍しくありません。クレームがスムーズに解決できるかどうかは初期対応で決まります。
多くの店のミスは、慣れていないスタッフや研修生によるものが多いので、最初の段階で不手際があったときは、お客様にすぐに謝罪する事と、すぐ責任者へ報告するという事を必ず教えてから働いてもらうよう心がけましょう。
飲食店のクレームを未然にふせぐ対策とは?
飲食店の遺物混入など調理の時にいくら注意をしても起こってしまうことはありますが、できる限り避けたいものです。店の責任者は、危機管理の考え方を覚えてください。
危機管理とは店を運営している中で、「最低、最悪」の状況を想定して、「最高」の準備をするため、「楽観的」に対応できるという法則です。
ほとんどの店がこれの逆をやっています。
「楽観的」な状況を予測して、「最低」の準備しかしない為に、「悲観的」な対応に追われているのです。
この考え方を、店に落とし込んでいけばお客様からのクレームの半分は防ぐことが出来ます。
まとめ
クレーム処理は嫌な仕事ですが、店の店長のリーダーとしての責任の見せ所で、一緒に働くパート、アルバイトさんもその姿を見ています。嫌な仕事ですが責任をもって、きっちりと対応するあなたを見て、他のスタッフが付いてきてくれるので逆にチャンスと思い、責任をもってクレームと向き合って行きましょう。