日頃の努力が報われて新しく店を任されることになった店長さん、就任おめでとうございます!!今までは先輩や上司からの指示で店を盛り立てていってましたが、これからは自分の判断や考えで店を運営していかなくてはいけません。
よく飲食店では、「チェーン店でも店長が変われば売上が変わる」という言葉を聞きますが、それはなぜでしょうか?ここではその理由と責任者としてやるべき仕事、これから必要になってくる能力について確認しておきましょう。
飲食店は店長で売上が変わる?
多くの人々は、個人経営のレストランとは異なり、メニューやサービスが完全にマニュアル化されているチェーン店では、どの店舗で働くかがすべてを決定づけると考えがちです。このような見方からすると、店長の影響力は限定的であると思われがちですが、実際にはファミリーレストランやファストフードチェーンなど、街中でよく見る飲食店でも、店長の資質が店舗の成功に大きく影響しています。
例えば、以前は業績が良好だった店舗が、店長が変わるだけで数ヶ月後には売上が半減し、活気を失ってしまうケースも少なくありません。このような現象の背後には、どれだけマニュアル化されていても、従業員が必ずしもマニュアル通りに動かない現実があります。店舗のサイズやレイアウト、立地、在籍するアルバイトスタッフのスキルの違いなど、様々な要因により、一律のマニュアルが有効でない場合が多いのです。
企業がマニュアルを用意する主な目的は、どの店舗でも同じ品質の食事を提供し、接客サービスを標準化し、人件費を削済むことです。しかし、企業の本部や本社のマネジメントが徹底されていない場合、これが反対に評判を損ねる原因となることもあります。さらに、店舗の立地による客層の違いが激しい場合、マニュアルだけでは適切な対応が難しいという問題も生じます。
その一方で、店舗の売上が向上する場合は、しばしば店長の個性が鍵となります。良い店長は店内で何に重点を置くかを明確にし、パートやアルバイトスタッフを上手にまとめ、効率的に運営しています。こうした店長の下での店舗は、常に活気があり、訪れる顧客に楽しい雰囲気を提供しています。このように、マニュアル化された運営体制の中でも、店長のリーダーシップと創造性が店舗の成功に不可欠な要素となっているのです。
飲食店の店長のやるべき仕事とは?
飲食店の店長の役割は多岐にわたります。彼らは単にスタッフを監督するだけでなく、売上、利益、人件費、原価率などの重要な財務指標の管理も担当します。加えて、人材育成、シフトの調整、品質・サービス・清潔さ(QSC)の維持、金銭管理、労務関係の監督など、店舗運営のさまざまな側面を取り扱います。
企業ポリシーによっては、商品のマニュアル化が徹底されており、店長が扱うべき具体的な数値は売上と人件費に限定されていることがあります。一方で、原価率などの他の財務指標については情報が提供されないこともあります。新しく店長として任命された場合には、これらの数値を精査し、自店舗の運営状況を把握することが求められます。
私自身、飲食店の店長として10年以上のキャリアを持ちますが、店の経営においては最も問題のある領域を優先的に改善することが、全体の業績向上に直結します。例えば、人件費が予算を超えている場合、過剰なスタッフ配置が原因かもしれませんが、実際にはスタッフ不足が売上不振や顧客サービスの質の低下を招いている可能性も考慮する必要があります。
そのため、店長は単に数字を削減するのではなく、どのようにしてそれらの数値が現れているのかを深く理解し、スタッフの配置やトレーニング、顧客体験の向上にどのように対応するかを考慮することが不可欠です。このバランスの取れたアプローチにより、店舗は持続的に成長し、顧客満足度を高めることができます。
飲食店の店長に必要な能力とは?
多くの飲食店の店長は常に人に関する悩みを抱えています。「どのようにしたら、お客様のことをもっと考えられるスタッフが育つのか?」「どうしたら、もっと積極的に働いてくれるのか?」などと悩んでいる店長も少なくいないと思います。
スタッフが思い通りに育たない要因には、人によって価値観が違う事と得意不得意があるため、すべてのスタッフに対応できるマニュアルや教育方法というものが存在していないからです。そのため、各スタッフに合った接し方や教育方法をその都度見極め、そのスタッフに合った方法で教育していかなければなりません。
店長の仕事の管理業務や店の改善は、経験の積み重ねや慣れで出来るようになってきますが、自分の店で働くスタッフをやる気にさせ、チームとしてまとめるには、しっかりと相手の話を聞き、一緒に笑い、一緒に泣くといった「人間らしさ」がリーダーの条件で、一番大切な人をまとめる事には欠かせない必要な能力です。
この店長のコミュニケーション能力の低い店は、アルバイトの高い離職率にも繋がります。言い換えると、コミュニケーションをきっちりととって、教育さえしっかりと行うことで、離職率の低下に繋げることが出来るのです。
コツは会話することと、聞き上手になるという事でしょう。
まとめ
店舗の売上は大きく店長の能力に左右されることが多いです。店長の役割では、リーダーシップを発揮し、チームメンバーを一つにまとめ、共通の目標に向かって導くことが求められます。個々の人柄や性格は様々ですが、それぞれのスタッフと効果的にコミュニケーションを取ることで、チーム全体の士気を高め、店舗全体を活気に満ちた環境に変えることが可能です。
店長としては、自身の行動や言葉がスタッフに直接影響を及ぼすため、常にポジティブで包括的なアプローチを心掛けることが重要です。スタッフとの関係を深め、彼らの意見や提案を積極的に聞き入れることで、より強固なチームワークを築き上げることができます。このような取り組みにより、店舗は顧客にとっても魅力的な場所となり、売上の向上につながるでしょう。